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電子トリートメント?

2008年 11月 13日 | お仕事

昨年位から美容界で画期的なトリートメントとして電子トリートメントという物が出てきました。一部雑誌にも取り上げられ、有名芸能人もやられた方がいてひそかにブームになりつつありました。
とても艶がでる、髪が落ち着くという高評価から、バサバサになって髪を切る事になったという悪評価まで評価は賛否両論のようです。髪をシリコンでコーティングしてるだけとかシリコンは一切使っておらず髪の内部で核融合を起こし髪そのものを生き返らせるなど見解も様々なようです。いったいどうゆうものなのか・・・・・・
まずシリコンを使っているいないという部分で、シリコンとは髪に膜をはったりやわらかくしたりと優れた点があります。しかし本来髪の毛には存在していない成分なのでそこに疑問点をもつ方がいたり、髪にはいいが頭皮、体には悪いという見解もあるようです。強くコーティングしすぎると空気とふれあわない、乾燥しないから髪の毛の中の油分、水分の循環がなくなりコーティングがとれたらものすごく傷んだ状態になっているのではなど。確かに必要な成分だが
その使いかたなどによって良い、悪いの判断基準がわかれるようです。
シリコンについての個人的な見解は非常に難しいのですが、髪を守ったり、質感の向上の為に髪の毛(頭皮は除く)には最低限必要かなと考えています。現に市販のシャンプー、トリートメントで売れ筋の商品にはたくさん使われており(個人的には地肌には良くないと思います)皆様も普段知らないうちに実はシリコンのおかげで髪がサラサラになっているケースがあるのです。STILLでは本当に必要最小限の化学成分しかはいっていない天然の植物性成分のシャンプー、トリートメントも取り扱っています。地肌、髪に対して非常に良く髪の根本から改善してくれるからです。ただ市販のシリコンがたくさん入っているシャンプー、トリートメントを使っている方がこちらの商品に変えるとはじめ少しパサツキます。これはシリコンコーティングが剥がれていくからです。その後使い続けて頂ければ天然の植物成分でもかなり良い状態になるのですがやはり少し時間がかかります。漢方みたいな感じですかね。ですので抗生物質のように即効性があるシリコンが入った市販品に戻ってしまう方もいます。やはり成分どうこうより仕上がり重視が求められているのだと感じています。ですので必ずしも悪いとは考えていませんが実はシリコンも大きく2種類に分けられます。化学的な石油系のシリコン(ジメチコン等)と自然の鉱物からのケイ素です。石油系は水に溶けません。ケイ素は水に溶け、とけると皆様よくご存じのミネラルウォーターとなります。このケイ素(Siシリコン)をミネラルと考えるかシリコンととらえるかは微妙ですが。ただこの2種の違いを美容師側が理解して石油系でも適材適所で正しく使用すればとても良い成分になると考えています。
電子トリートメントもまずケイ素がミネラルかシリコンどちらととらえるかが難しいですね。ただどちらにしても普段使われているという点でとんでもなく悪いものではなさそうです。他の電子トリートメントの成分はアルカリ剤、酵素、カルシウム、油分などと特別かわった物はなさそうですが今噂で珪酸ソーダがはいっているのではとよくいわれています。珪酸ソーダとは水飴状のガラスで水ガラスとも呼ばれています。元々は防火材などに使われている物で本来、融点が600°近くあります。これで髪をコーティングすることによりものすごくすばらしい艶がでるというのです。珪素による水ガラスコーティング、手触りが悪い所をうめ、艶のない所をうめる。コーティングがはがれたらリバウンドで痛むのは仕方ないのでやり続ける。このように書くと悪い物みたいですが、シリコン(ジメチコン)が入っている、シャンプー、トリートメントなどの超強力タイプと考えてしまえば艶、手触りがすごいのなら良いのではとの見解もできます。
しかしひとつ問題点があります。それは珪酸ソーダ(水ガラス)の融点がとても高いという点です。髪に600度などという高熱を与えると一瞬で溶けます。ですのでそこまでは高温ではありませんが、美容界での髪に与える常識的な温度より高温な熱のアイロンでプレスしていくようです。アイロンを使わない方法もあるみたいですがその場合はドライヤーで処理するようです。いずれにしろ普段、私共が施術しているよりも高温な熱が必要になるようなのです。
STILLではシリコンやコーティングなどの不明点より、この熱の方がひっかかり電子トリートメントは取り扱わないことにしています。髪の毛は160度以上の熱で内部のタンパク質が炭化してしまいます。卵で目玉焼きをつくったとき元々は水っぽいタンパク質が熱によりこげてパリパリ固まった状態です。このトリートメントは160度より高い熱が加えられているのでは、水ガラスを安定させるにはその熱が必要なのではと考えられています。熱を加え表面を整え良い仕上がりを完成させるようです。ただ髪の中のタンパク質は熱により炭化してしまいます。生卵も一度目玉焼きにするため熱を加えると二度と生卵にはもどりません。髪のタンパク質もこれと似ていて二度と元には戻りません。
髪内部のタンパク質が変性してしまうので、パーマ、カラーなどの薬剤が反応しにくくなります。この部分が後々、スタイルチェンジに影響しそうなので良い、悪いの判断は別として使用しない事にしております。